鍬農雅友blog

31歳/都内在住/生涯ピエロ人間

道路職人

道路を作る国の責任者だったTは、多くの市民から「道をもっと広くして欲しい」と言われた。

 

みんなの為に働く事がすきだったTはチームを集め、さっそく取りかかった。

 

半年後、1車線だった道路は2車線に増えて、渋滞が解消されるようになった。

 

しかし今度は「最近夜中にバイクを乗り回す若い奴らがいる。うるさくて眠れやしない。なんとかしてくれ」とまた市民から言われるようになった。

 

そこでTはチームを集め、順番で道路を見張るシフトを組むようにした。

 

見張りを煙たがった若い連中は、街でバイクに乗らなくなり、次第にバイクの音は街から消えていった。

 

ところが、今度は見張りシフトの仕事をこなすメンバーから

「こんな仕事は嫌だ。俺たちの仕事じゃない」

 

とTへ不満を漏らすようになった。

 

Tは思った。

「もうウンザリだ。みんなのために頑張っても誰も見てくれちゃいない。十分貯金もしたし、仕事はもう辞める。俺は趣味の釣りだけに重きを置いた人生を送るのだ。」

 

辞表を出した翌朝、早速湖に出かけると立て札があった。

 

「釣り禁止」