鍬農雅友blog

32歳/都内在住/読書がライフワーク

屠畜とヴィーガンの話

福岡県の門司にある橋本食品という店を紹介したいのですが、この店は

 

「バーベキュー用の肉を10人分欲しい。1人あたり1500円分で。肉はカルビとロースと、ホルモンとウインナー、牛タンを入れて欲しいです。」

 

このように、好きな分量を店長チョイスでパック注文ができる。おまけにタレも付けて郵送して送ってくれる。まじで便利。

 

精肉店の肉はスーパーのと比べるとはるかに美味い。スライスされたタイミングが持ち帰る直前なので鮮度が保たれている。ここを知ってから、身内で行うバーベキューの時はスーパーではなく、必ずここで注文するようになった。

 

昨年の8月、奥さんのご家族のおもてなしとして僕が旗を振って、バーベキューをセッティングした話。10年ぶりなんですけど、昔よく利用させてもらってて、、」と切り出すと、電話口の店主はそれはそれは喜んでくれました。お金はもう後でいいんで、なんて言いながら結局頼んだ分以上の肉が届く。

 

「お肉屋さん」は歴史を遡ると悲しいエピソードが結構ある。

今はかなり減ったんじゃないか。肉屋・屠畜業を生業とする人たちへの偏見は、残念ながら古い人達を中心に根付き、なかなか結婚が出来なかったり、下の位に見られることが多いようだ。

 

屠畜と言えば、小学校低学年くらいの時に猟銃でハトを撃って食べる近所のおっちゃんにめちゃくちゃ怒られた記憶がある。僕は彼らにとって一番のタブーを言ってしまったのだ。

 

「かわいそう」

 

屠畜していただいている人たちに最も言ってはいけない言葉である。そして、もちろんお決まりの文句で怒られるわけです。

 

「そんなことを言ってはいかん!命をいただいているのだから」

 

最近は「ヴィーガン」という言葉がある。「菜食主義者」、いわゆる私たちは野菜しか食べません!という考え方を持った人たちで、「肉食」と対称的な人たちの事だ。

 

菜食主義ってどうなんでしょうか、野菜も命だろ?動物を絶命するのと何が違うのか?、という問いにはどのようにお答えいただけるのかしら。

ブログをお読みになったヴィーガン主義者の方がいらっしゃったら、是非コメントをいただきたい。

 

僕はやっぱり屠畜家の人たちに感謝しながら美味しいお肉を食べたい。

今後、僕自身が屠畜の仕事にはご縁があるかわかりませんが、世界の屠畜事情を取材した人の本を読みました。

 

僕はチェコのくだりが好きでした。

1990年代にEUに加盟するか否かは、食肉加工処理に携わる人達にとって死活問題だった。加盟するとチェコ産のあらゆる生産物がEU基準に合わなくなり、食品の提供ができなくなって食べていけなくなる人がたくさん出てきちゃうわけです。

さらにドイツに騙されて古い解体機械を買わされたりと、苦境に立たされるチェコですが、この国には「トラチェンカ」という絶品豚料理があるそうな。

是非、一度はチェコに行って食べてみたいと思った。

 

明日はいきなりステーキいくか。

 

世界屠畜紀行 THE WORLD’S SLAUGHTERHOUSE TOUR (角川文庫)