今後のネット広告に関する考察
今日このニュースを代表から知らされ、驚きました。広告畑にいるので、個人的にはこういうニュースは気になってよく見る方です。
今回はこのニュースを見て、ぐるぐるっと思ったことを書きました。タイトルは「今後のネット広告に関する考察」。
まずはGoogleという会社のお金儲けの仕組みから書いてみたいと思います。
Googleは今や誰でも知っている世界最強のIT企業。
すごく便利なサービスを提供する一方で、ユーザへのサービスは全部無料。
なのに、高い給料を支払わないといけない世界トップクラスの人材を集められる仕組みを持っていて、お金儲けも人集めも上手いビジネスの天才集団です。
Googleはどうやってお金を集めているのか、というとあまり知られていませんが「検索連動型広告」と呼ばれる独自の広告の仕組みで企業と商売をしています。
Google検索窓にキーワードを入れた時に、関連するサイトがずらっと並びますが、時々「広告」という表示つきでサイトが上の方に出てくると思います。
もしくは、PCならば右側の余白にも出てきたりしますね。
企業(個人でも可能。誰でもできます。)はGoogleの口座にお金を入れることで、その広告枠を買うことできるわけです。
我々ユーザが広告枠のホームページをクリックするたびに数十円〜数百円がチャリン、チャリンと引き落とされるような仕組みを確立させました。厳密にいうと、Googleではなくもう少し前からあった会社が先なのですが。
我々「一般ユーザの視聴」を企業がお金を出して買える仕組みをGoogleは提供しているわけですね。
このカラクリがまた良くできていて、出資額が大きいサイトから上に表示されるようになっています。上の方に出てくるサイトはユーザの目に届きやすく、どんどんクリックされて、どんどん大きな額のお金がGoogleに入金される仕組みになっているわけですね。
テレビ局同士の視聴率獲得合戦に似ていますが、検索エンジンのシェアがどうだ、SNSのシェアがどうだ、と騒がれるのは、サービスを使うユーザが増えれば純粋にここをクリックしてくれる人が増えて、企業側が出資額を増やすからですね。
そうなると、結果的に検索エンジン運営元に大きく資金がプールされるようになるので、各社躍起になってシェア争いに奮闘しているわけです。
本当、最初にこの仕組みを考えた人は頭がいいな。
後ろの後ろ、そのまた後ろくらいに企業の真の狙いがあって、一般ユーザには見えにくいですが、そういう狙いがあります。
さて、本題に入ります。
今回、その「広告枠をなくす」という動きにGoogleが舵を切りました。
これはどういうことか。
時代に合わなくなってきているからというのが個人的な見解です。
いくつか思い当たる節があるのですが、一番そう思ったのはGoogle, Yahooから僕個人宛に電話営業をよく受けるようになった事です。
とある会社さまの広告担当をしているのですが「広告配信お手伝いしましょうか?」「どういう戦略をお考えですか?」など根掘り葉掘り聞かれ、後に設定までしてくれるという。
前からこのお手伝いサービスはあったのですが、最近は頻度が増えてきました。週に一回、二回電話ではなく、メールでも追っかけてくる。
あぁそうか、ユーザのリテラシーが上がってきて、広告を押さなくなってきてるんだな、いろいろ打ち手を広げなきゃダメなんだなというのを感じました。
検索連動型広告の衰退。なくなりはしないと思うけど、間違いなくピークは過ぎた印象。
普通、クリックされる回数が減っているのなら、広告枠を増やしそうなものですが、
「 広告枠を増やす」ということは「ユーザ満足度を下げる」ということに等しいので
彼ら(Google)はそういう選択はしません。誰だって広告は押させられたくないですから。
つまり、広告枠を削ってでもユーザ満足度を担保したかったってことでしょう。削ったところでそれほど痛手でもなく、もう多分次のビジネスを考えてお金を流れを作る算段ができているという仮説が立ちます。
じゃあこれから求められるのは一体どんなサービスなのでしょうか。
個人的には「ユーザ体感」「質の高い情報発信(信憑性)」と考えています。
「●●と言ったらこのサイト!」という強烈でシンプルなメッセージ性があること。
それから「このサイトに書いてある事なら信用できるよね」と直感的に思ってもらえる安心感。
差別化じゃないけれど、情報がとにかく溢れかえっているので、抜きん出た体感と信憑性の得られる発信源を作らないといけない。
そういうメディア同士が広告を貼りあったり、ユーザファーストな情報を高めあって発信できるところにユーザはどんどん集まりそうだなと考えています。
ユーザに不必要と思われる情報はお金を受け取っても配信しない(させない)仕組み。
ユーザに有益な情報や驚きをどんどん提案(配信)できる仕組み。
強気かもしれないけれど「いい商品しか売らない」という確固たる信念を持った頑固親父がいるお店って多少価格が貼っても商売繁盛していると思うんです。
ネットでも同じで、そういうメディアや広告として出せるプラットフォームが繁盛するんだろうなぁと思いました。
チカチカ広告ばっかり出てくるメディアとか、続きを見たかったらいいね押してね、シェアしてねってメディアはできるだけ無くなって欲しいなと思います。
僕もメディアを運営する会社にいるので、ネット広告の未来やメディアのあり方をちゃんと勉強しないといけないといけないなぁと思い、書いてみました。
みなさんの何かの参考になれば。
それでは良い週末を。