計画と無計画のあいだ - 三島邦弘
こんばんは。
今日はとても面白い本を見つけたのでご紹介致します。
最初に余談を少々。
僕は昔、本が大嫌いでした。
考えるのが面倒くさいし、退屈だなぁという感覚です。1冊200ページも読み切る読書体力ないわ、という感じ。考えるということが苦痛でした。
でも、本って読まんといかんよな。読んでた方がいいっぽいなって感覚だけはありました。
ある時、すごい読書家の後輩に相談したところ、その時に勧めてもらった本を境に自分から本屋に出かけるようになれました。23歳くらいの時だったと思います。
今日はそれも合わせてご紹介致します。
星新一の「ボッコちゃん」という本です。
この本は、SF(サイエンス フィクション。実際には起こりえない話を本当っぽく書いた内容。スターウォーズとかジュラシックパークなど)というジャンルで、1,2ページで1話が終わる、短編小説です。それが何十話もつまっている国語の教科書の面白版みたいな感じでしょうか。
この本が、僕の読書体力がなくて長続きしなくて辛いというハードルをクリアしてくれたお陰で、本に対して抵抗がなくなって面白さに気づくことができました。
後輩にはとても感謝しています。
本当1ページくらいで話が1つ終わるのですが、これが侮れない。深い。
この中に入っている「処刑」という話がオススメです。
話のオチが2つに汲み取れて、読者を考えさせる内容になっているんですね。
ちなみに僕は"爆発した"と解釈しました。笑 是非みなさん読んで頂いて、あーだこーだ議論しましょう(^^)600円で買えます。
ーーーー
さて、余談が長くなりました。
今日はタイトルの「計画と無計画のあいだ」という本のご紹介です。
少し変わった出版社さんの話。
一冊入魂。本は量産させない。魂込めて一冊一冊作り上げれば、お客さんは必ずファンになってくれる、という発想を持った社長さんのエッセイ(散文。好きなことを書きまくってある話)です。
本は書きまくればいいってもんじゃない、質が大事。
この手の本って大企業の社長さんの本は結構あって、自己満足な事ばっかり書いてあるなという印象でしたがこれは違いました。
本を量産しないことによる経営に対する不安、出版社のマーケティングセオリーの疑問視、本を買ってくれた人への感謝の文章。
なんかあったかい感じがするんですよね。
うまく言葉に書けなくて気のせいかもしれないけど、どれも凄く熱意を感じました。
「この出版社の本を次も読んでみよう」という感覚にさせるってすごいな。
買ってみて、またご紹介致します。
ターゲットは設定しない。人間を信じる。
そこにあるのは一冊入魂の精神だけだ。
最後にこう綴ってありました。熱い!いいね!
「一冊」を「一レシピ」に変えたら、うちのレシピサイトも同じやな。
何でも魂込めてやるって大事ですよね。
インターネット上の煽り記事に関する考察
おはようございます。
今日は表題のタイトルで書いてみました。「煽り記事に関する考察」
インターネットサービスを見ていると、とんでもない煽り記事にぶつかることがあります。
インターネットってエンタメ系を筆頭に、根も葉もないデマ・ゴシップに溢れかえっている情報空間です。
本当に正しい事を言っているのはどれ?
うーん、これは絶対違うな、というのも5年間もインターネットの仕事をしていると、記事タイトルだけ見て釣り記事(期待値を大きく下げるような、タイトルと内容があっていない記事のこと)だなーってリンクを押さないスキルがだいぶ身につきました。
え!?まじ?と、つい直感的にクリックして記事を見たら、全然薄い内容だった。
誰だってそんな経験あるんじゃないでしょうか。
最近知ったのは、
「橋本環奈ノーバン始球式」
「ノーバン」を「ノーパン」と間違えてクリックする人がかなり多いようで、女性アイドルのプロ野球始球式イベント記事にはだいたい付けられているキーワードのようです。
本当くだらんな。笑 ノーバン?野球部以外にそんな言葉使うのかな?と思ってたらそういう狙いだそうです。
自社のホームページやWebにどうやって人を集めようか、と一つずつ科学していくとき、「記事タイトルの重要性」に必ず気付きます。
溢れかえった情報の大海原の中でいかに自分の記事をクリックしてもらうか(タイトルをつけるか)。これってとても大事な事ですよね。記事を作るにもお金や書き手の時間を使って書きますから。
本の出版などは、本当に命がけの勢いでタイトル文を考えるそうですね。
しかし、これを変な方向に考えすぎる執筆者がいて、結果「煽り」「釣り」と呼ばれる過剰なタイトル・釣り記事が量産されいてるのが事実です。
そこで今日は僕が事例を一つご紹介したいと思います。
先週からすごい話題になっているこの記事について書いてみます。
この記事、一見話題としては面白いし、目を引きやすいタイトルとなっていますが、実際かなり突っ込みどころが多い。
techcrunchは多少煽り記事が多い印象があるので注意が必要です。
このイベントで言いたいことはつまり、
「次のビジネスを仕掛けるなら、やっぱりInstagramだよね!みんなでInstagramやっていこうよ!」
ということだと思います。
例えば、これが都内のインスタファン女子高生200人でやりました!のようなイベントならまだしも、登壇しているのがFacebookの社長、セプテーニの社長、GENKINGさんというInstagramを流行らせたくて仕方がない人たちのトークセッションなんだから、そりゃもうGoogleは使わないなんて書くわな、と。
このイベントの本当の狙いはInstagramというサービスのグロースハック(サービス拡大を狙いとした仕掛け)です。もっとインスタを広くユーザ使ってもらうための働きかけ。
InstagramはFacebookという法人傘下のサービス、セプテーニさんは大手インターネット広告代理店、GENKINGさんはインスタグラマー。
3者でインスタ盛り上げていきましょー!と団結してやったイベントなんでしょうね。
「Googleで検索すると文字が出てくるし、(検索結果は)SEO対策されている。あとはスポンサー(広告)とかが上がってきて…ネットってリアルじゃない。Instagramは検索することで言葉より画像が表示される」。
この辺がタイトルに紐づく記述で、かなり煽り感。
そもそも、 SEO対策(自社ホームページを検索上位に表示させるテクニック)は別に悪いことではないです。昔ほど簡単には上がらなくなっています。
それからスポンサー広告はきちんと「広告」と表示されているから押さなければいいだけじゃないでしょうか。
テレビCMなんて強制的に見せられるから、よっぽどこっちの方がいいんじゃない?
ちなみに僕はGoogle社は便利なサービス開発してくれる会社なので好きですが、信者ではないです。
そしてGENKINGさん、あなたが個人的にInstagram流行らせたいと思っているだけでは?ないんでしょうか。Googleは使うでしょう。
人は、画像検索で情報は探さないと思うんですけどね。まず入力の時点でキーワード、文字を入力している。返ってくる情報も文字やキーワードを期待しそう。
最近は若い人が美味しそうな料理をめがけてインスタを使ってお店に訪れる、という使い方をするようですが、その使い方はなるほどなと思いました。
「服」「食」などビジュアルに訴えかける一部にはウケるかもしれない。でも、文献などのドキュメント情報を探すのには向かないサービスじゃないのかな。
個人的には、Googleのような検索サービスは多分なくならない。ただし、インターフェースは変わるかも?と考えています。インターフェースとは画面のことを指します。
iPhoneのSiriのような音声(検索キーワードをいちいち入力する必要がない)検索が伸び、
いずれ考えただけで情報検索できるようになって、最終的には入力画面がなくなって検索結果画面だけになる、みたいな感じなんですかね。
未来のサービスをあれこれ妄想するのは面白いなと、土曜の午後を過ごしています。
ネットの記事には「書き手の狙い」が必ずあり、多くの人が見てくれるように「魔法」がかけられている。そういう意味で分かりやすい良い記事だなと感じました。
それからアジり屋(煽る人)と言われようがGENKINGさんのように、勇気を出して大きな声を出せる人の所に結局は人が集まり、サービスが浸透していくんだろうなと参考になりました。
Have a good day★
今後のネット広告に関する考察
今日このニュースを代表から知らされ、驚きました。広告畑にいるので、個人的にはこういうニュースは気になってよく見る方です。
今回はこのニュースを見て、ぐるぐるっと思ったことを書きました。タイトルは「今後のネット広告に関する考察」。
まずはGoogleという会社のお金儲けの仕組みから書いてみたいと思います。
Googleは今や誰でも知っている世界最強のIT企業。
すごく便利なサービスを提供する一方で、ユーザへのサービスは全部無料。
なのに、高い給料を支払わないといけない世界トップクラスの人材を集められる仕組みを持っていて、お金儲けも人集めも上手いビジネスの天才集団です。
Googleはどうやってお金を集めているのか、というとあまり知られていませんが「検索連動型広告」と呼ばれる独自の広告の仕組みで企業と商売をしています。
Google検索窓にキーワードを入れた時に、関連するサイトがずらっと並びますが、時々「広告」という表示つきでサイトが上の方に出てくると思います。
もしくは、PCならば右側の余白にも出てきたりしますね。
企業(個人でも可能。誰でもできます。)はGoogleの口座にお金を入れることで、その広告枠を買うことできるわけです。
我々ユーザが広告枠のホームページをクリックするたびに数十円〜数百円がチャリン、チャリンと引き落とされるような仕組みを確立させました。厳密にいうと、Googleではなくもう少し前からあった会社が先なのですが。
我々「一般ユーザの視聴」を企業がお金を出して買える仕組みをGoogleは提供しているわけですね。
このカラクリがまた良くできていて、出資額が大きいサイトから上に表示されるようになっています。上の方に出てくるサイトはユーザの目に届きやすく、どんどんクリックされて、どんどん大きな額のお金がGoogleに入金される仕組みになっているわけですね。
テレビ局同士の視聴率獲得合戦に似ていますが、検索エンジンのシェアがどうだ、SNSのシェアがどうだ、と騒がれるのは、サービスを使うユーザが増えれば純粋にここをクリックしてくれる人が増えて、企業側が出資額を増やすからですね。
そうなると、結果的に検索エンジン運営元に大きく資金がプールされるようになるので、各社躍起になってシェア争いに奮闘しているわけです。
本当、最初にこの仕組みを考えた人は頭がいいな。
後ろの後ろ、そのまた後ろくらいに企業の真の狙いがあって、一般ユーザには見えにくいですが、そういう狙いがあります。
さて、本題に入ります。
今回、その「広告枠をなくす」という動きにGoogleが舵を切りました。
これはどういうことか。
時代に合わなくなってきているからというのが個人的な見解です。
いくつか思い当たる節があるのですが、一番そう思ったのはGoogle, Yahooから僕個人宛に電話営業をよく受けるようになった事です。
とある会社さまの広告担当をしているのですが「広告配信お手伝いしましょうか?」「どういう戦略をお考えですか?」など根掘り葉掘り聞かれ、後に設定までしてくれるという。
前からこのお手伝いサービスはあったのですが、最近は頻度が増えてきました。週に一回、二回電話ではなく、メールでも追っかけてくる。
あぁそうか、ユーザのリテラシーが上がってきて、広告を押さなくなってきてるんだな、いろいろ打ち手を広げなきゃダメなんだなというのを感じました。
検索連動型広告の衰退。なくなりはしないと思うけど、間違いなくピークは過ぎた印象。
普通、クリックされる回数が減っているのなら、広告枠を増やしそうなものですが、
「 広告枠を増やす」ということは「ユーザ満足度を下げる」ということに等しいので
彼ら(Google)はそういう選択はしません。誰だって広告は押させられたくないですから。
つまり、広告枠を削ってでもユーザ満足度を担保したかったってことでしょう。削ったところでそれほど痛手でもなく、もう多分次のビジネスを考えてお金を流れを作る算段ができているという仮説が立ちます。
じゃあこれから求められるのは一体どんなサービスなのでしょうか。
個人的には「ユーザ体感」「質の高い情報発信(信憑性)」と考えています。
「●●と言ったらこのサイト!」という強烈でシンプルなメッセージ性があること。
それから「このサイトに書いてある事なら信用できるよね」と直感的に思ってもらえる安心感。
差別化じゃないけれど、情報がとにかく溢れかえっているので、抜きん出た体感と信憑性の得られる発信源を作らないといけない。
そういうメディア同士が広告を貼りあったり、ユーザファーストな情報を高めあって発信できるところにユーザはどんどん集まりそうだなと考えています。
ユーザに不必要と思われる情報はお金を受け取っても配信しない(させない)仕組み。
ユーザに有益な情報や驚きをどんどん提案(配信)できる仕組み。
強気かもしれないけれど「いい商品しか売らない」という確固たる信念を持った頑固親父がいるお店って多少価格が貼っても商売繁盛していると思うんです。
ネットでも同じで、そういうメディアや広告として出せるプラットフォームが繁盛するんだろうなぁと思いました。
チカチカ広告ばっかり出てくるメディアとか、続きを見たかったらいいね押してね、シェアしてねってメディアはできるだけ無くなって欲しいなと思います。
僕もメディアを運営する会社にいるので、ネット広告の未来やメディアのあり方をちゃんと勉強しないといけないといけないなぁと思い、書いてみました。
みなさんの何かの参考になれば。
それでは良い週末を。
AI(人工知能)という便利な言葉について
こんにちは。
東京、あったかいです。こんな日は海にドライブでも行きたいもんだ!
さて、今日は書評じゃなくて批評を書きます。
今、流行の「AI」について。
AIってなんでしょうか。
人工知能(Artifical intelligence)とは人工的にコンピュータ上などで人間と同様の知能を実現させようという試み、或いはそのための一連の基礎技術を指す。
- wikipedia より
最近インターネット関連のニュースを見ていると、「コンピュータが人から仕事を奪う」「人工知能がついに人間に将棋で勝った」「人工知能がビジネスを変える」 などという大きな切り口で賑わせている、あれです。
もともと技術畑にいたので知っているのは、「エンジニア」と呼ばれる職種の人たちからするとAIは垂涎の課題ということです。ワクワクして仕方がない研究分野の一つと言えます。
僕が高校生くらいの頃は駅の改札口には必ず一人おじさんが立って、切符を切っていました。
それが今ではお金をチャージした電子カードを機械にかざすと、ゲートがガコッと開く仕組みになっています。並ばなくてもいいし、凄い便利。
駅員さんが、えーっと渋谷から新宿までは、、170円。はいあなた通っていいよ!と目視で確認していたのが、一気に機械できるようになった、ということです。
こういった単純作業ではなく、もっともっと複雑なことを機械がやってくれるようになる。
例えば、人のその日の感情を読み取って声をかけてくれたり、疾患や体の調子に合わせた適切な薬を処方してくれたり、自分にあった仕事を紹介してくれるかもしれません。
「AI」って、そんな理想の未来を実現してくれる便利な言葉のようです。
ちなみに僕もこういうことを考えるのは好きです。
これまで多くの人手をかけてやってきた単純作業が機械に置き換わって楽しい仕事だけ出来る未来になるのなら、それは魅力的だなと。
しかし、最近のこの手のニュースはやたら盛られている印象があります。
本当?ちょっと違うんじゃない?と想うことが多く、現状と照らし合わせて書いてみようと思いました。あんまりこう言う事を書いている人がなかったので。
例えばこれ。
多分これを書いている人は、プログラムを1行も書いたことなくて、システムなんて全然触ったことのない人なんだろうというのが感想。面白おかしく、全然知らない人を惹き込む事に長けた記事で、突っ込みどころ満載の記事。ちょっとアルゴリズムのことを勉強したのかな、という感じでしょうか。
まずタイトルから。
「AI時代のコア技術。」と呼べるほど、AIの技術は進んでいなくて、全然AI時代ではないということ。「知恵」を持ったロボットが自走して人の生活に溶け込むのは現実的に数十年無理でしょう。
ロボットの身近な例なら、ソフトバンクショップのペッパーがあります。
優秀なロボットだなっていう感じより正直なところ子供のおもちゃに近い機械というのが感想です。面白いんだけれど。
MUJINのようなアルゴリズム特化型企業の与える示唆としては、強力なアルゴリズムを持った企業が物理的な動作を出力するロボットの世界に入ってくることによって、ロボットの頭脳部分のシェアを取っていく可能性がある。
前後なんだか凄そうに書いてあるけど、肝心なところがブラックボックス。
ロボットを動作させるアルゴリズムが自律的に学習するAIに近ければ、外部環境の変化に順応し、機械を動かすことができる
「AIに近ければ」って、それが出来ないから研究者の人たちは苦労している、さもできる前提で機械を動かすことができるってさらっと書くあたりが違和感満載。
内容があまりにも飛躍した話だなという感じで、読み手に誤解を与えそうだなと思う言葉が節々に感じられます。
出処がNews Picksで好きなメディアだから、つい批判的に見てしまいました。
AI(人工知能)って本当便利な言葉。なんでもやってくれる理想の機械の代名詞。
でも、そんなもの実は存在してないし、今後実現するかもわからないという夢の機械。
誰も見たことないですよね、AI。AIって本当なんや。
「AI」って単語が含まれると記事にドーピングされたような感覚で、なんか凄そうに見えますよね。
昔、洋画で「アイロボット」というロボットと人間の共存を題材とするSF映画がありました。「ヴィキ」というロボットの中核を担うシステムがあり、最後には暴走し始めて人間を襲い始める話です。AIってあの「ヴィキ」のことなんだろうな。
「AIなんてそもそもない」という前提でいろんなWebの記事を読んでみると、とても面白いと思いますよ。いかにほとんどの記事がぶっ飛んでいるか。
では今日はこの辺で!
「タレント」の時代 〜世界で勝ち続ける企業の人材戦略論 - 酒井崇男
大好きな講談社現代新書シリーズの一冊です。
僕は普段あんまりビジネス書は読みませんが、書店の講談社コーナーに行き、 パラパラと読んでみて面白そうだったので買いました。
簡単に言うと、
本当にみんなが求めるものづくり、サービス提供が出来る優秀な組織ってどんな人たちなんだろう。アップルとかトヨタとかさ。
その人たちを敬意を込めて「タレント」と呼ぶとしよう。
で、タレントってどんな人だろう、タレントがいっぱいいる会社ってどんな組織なんだろう?というのが科学してある本です。
こう書くと、なんだ良くあるビジネス書なんじゃないの?って思いがちですが、ポイントは出版が講談社現代新書であるということ。
かなり緻密な人選がなされている新書・出版社なので、どの本をとっても高い満足感が得られます。この本もまた然り、という感じでした。酒井さんの知的で分かりやすい文章は最後まで一気に楽しく読めました。
売れる商品は設計情報の質で決まる
この本のキーワードの一つに「設計情報」というキーワードがありました。
設計情報とは、売れる仕組みや仕掛けが埋め込まれている知識・才能の情報のことを指します。
例えば、世界一の自動車シェアを持つ「トヨタ」は車を売っている会社ですが、
市場に出すまでに研究開発、市場調査からエンジンの性能、車のデザインなどの膨大な情報の成果物として「車」を送り出しています。
アウトプット(成果物)を出すまでの過程にどれだけ質の高い情報を込められるかが、すごく大事だということですね。
「モノ」の提供に限らずサービス提供も同じ。ディズニーランドは全世界で統一されたミッキーの世界観があるし、スターバックスでは「300円のコーヒー」ってだけじゃなくて、どのスタバに行っても店員さんがニコニコしてたりと、行き届いた社員教育含めてのサービスがあるわけですね。
僕の会社もレシピサイトを運営していますが、これも同じかな。
料理家さんとクライアントさんの商品・レシピの想いをどうユーザに届けるかという、この「どう」の部分の設計をWeb・Web以外の部分のプロダクトに落とし込めるかが非常に大事だということか。
そして世の中に必要とされる高度な設計情報のを生み出すもの結局「人」だよねというお話です。
B級人材の心理
このトピックは次のような書き出しで始まっていました。
かつてシリコンバレーのスタートアップでは人材採用の心得として次のように言われていた。
「B級人材はC級人材を採用する」
「A級人材はA級人材と知り合いである」
...
B級人材を雇うと、C級人材が幾何級数的に増えて行く。
ベンチャー企業がそのサイクルに陥ると企業はすぐに仕事に支障をきたし始める。
...
一方、A級人材はA級人材を連れてくる。そのためにスタートアップでコアチームを作るにはA級の採用に拘るのである。
A級人材ばかり集まれば、コミュニケーションにいちいち言葉がいらず話が早い。
...
結局タレントはタレントを採用する。
A級人材はA級人材と仕事をすることで自分の価値を高められることを知っているからである。
この章は特に自戒となる章でした。 自分のとる行動の一つ一つが積み重なり、結局周りに大きな影響を及ぼすんだなぁと。A級人材ってどんな人なんだろう、と自分なりに考えてみましたが
- 口八丁手八丁じゃない人(学習能力がある人)
- 正直・謙虚な人(周りに好かれて、多くの人を巻き込める人)
- 情報処理能力が高い人(短時間でマルチタスクが可能な人)
こんな感じかな。1,2,3の順番で重要。
会社の人事部の人や自営業を営む父、世の中の経営者の方はきっとこういうことを常に科学しながら人を採用するんだろうなと、採用の難しさを疑似体験できました。
少しでも「タレント」に近づけるようになるにはどうしたらいいんだろう?という想いが僕の中にもあって、この本を手に取りました。
結論、広く視野を持って、いろんな事例や過去をたくさん勉強しつつ、現場でもがく
ってことが大事なのかなと思った本です。
ぜひ読んでみてくださいね。
ジャガイモのきた道 - 山本紀夫
私が担当しているクライアントさんに、ジャガイモを扱われておられるクライアントさんがいらっしゃいます。だからなのか、一際目に止まる本だったので、面白半分手に取ってみました。
その名の通り、これはジャガイモの本。ジャガイモをここまで分析した本はなかなかないと思います。マニアックな本だけど、なかなか面白かったです!
ジャガイモの起源は中南米と言われています。
実は昔、ジャガイモは「悪魔の植物」と言われ、人に嫌われた野菜の一つでした。最初に食べた人たちがお腹を壊したり、苦しみました。
ジャガイモには大きくわけて2種類の栽培種・野生種と呼ばれるタイプがあります。
昔は後者の野生種と呼ばれるタイプの芋がどこそこに生えて、実(み)が小さい割にソラニン(ジャガイモの毒)を多く含む「食べられない植物」と思われていた植物でした。
ある時、中南米に住む人たちは"気候の特徴"を生かした「毒抜き」技術を開発します。
中南米の山脈の標高の高いところでは昼夜の温度差が高く、昼間は20度くらい、夜はマイナスになる程ガラッと変わります。
水分を多く含むジャガイモは中の水分が固まって夜カチコチになります。
昼間暖かくなるタイミングで、この水分が溶け始めるのでこの時一斉に人の足で踏みつぶして水分を出します。
ここで一緒に毒素も流れ出し、身の食べれる部分だけ残すことができるわけです。
水分を抜くと3分の1くらいの大きさになるっぽいですが、腐りにくいので長持ちして交易品として扱われました。
今でこそスーパーに当たり前に並んでいる芋ですが、最初は踏みつぶして食べるところから始まり、だんだんと突然変異で大きい芋や毒素の少ない芋ができて、品種改良しながら今の「男爵いも」や「メイクイーン」などの品種が確立されました。
昔はあんまり私もジャガイモ好きじゃありませんでした。なんかゴツゴツして、別に美味しくないなぁと。
大人になってから大好きになった。
ある広島の友人が作ってくれた広島風のお好み焼きにじゃがいもと牡蠣が入っていてそれがとても美味かったのを覚えております。
ドイツに行って、ビールとじゃがいも、ソーセージ、なんて食ってみたいなー。
ジャガイモが食べたくなる本ですよ(^^)
おすすめの1冊です。
書評 - 危険な愛人マタハリ 今世紀最大の女スパイ
タイトルが面白そうで手に取りました。
「マタ・ハリ」という人は1900年代に入ってから諜報活動(国どうしの秘密情報をこっそり探る人)をしていた踊り子・ストリッパーです。
この人は一言で言うならかなりの「悪女」。
国のトップとも言える偉い人たちと一夜を共にしては、国を動かす重要な情報を握り、
口止め料をもらう。そんなことを繰り返し、繰り返し。
最後には、 戦争犯罪人容疑でフランス政府に捕まって40歳半ばの若さでフランスで処刑されました。
ただ、実際にはマタハリが犯したであろう戦犯の証拠は全然ないそうです。
最後まで「私はやってない!」と主張し続けます。
歴史の教科書に出てくるような、大きく時代を動かす歴史的人物ではありませんが、ドラマティックな人生を送る疑似体験できて、とっても面白い本なのでオススメです。
一番面白かったのは、不謹慎だけど最期の描写。
処刑される当日、綺麗に化粧を塗り、身だしなみを整え、独房から処刑台まで凛として歩き、処刑台に向かいます。
登った台の2時と10時の方向からは、2人の処刑人によってマタハリに銃が向けられています。処刑人の「撃て!」の掛け声の瞬間、マタハリは二人の処刑人に向かって投げキスをしたそうです。
ちょっと最期がかっこよすぎる気もするけどねー!!
この手の本は書き手の文才一つでピカピカ光るよな、と思います。
Amazonで中古で買えますよ(^^)読んでみてください!
Amazon.co.jp: 危険な愛人マタハリ―今世紀最大の女スパイ (20世紀メモリアル): ジュリー ホィールライト, Julie Wheelwright, 野中 邦子: 本
おやすみなさい。